ブレーキアシストとは、自動車の急ブレーキの際、制動力を高めるシステムである。通常のブレーキ操作では動作しないが、システムが緊急のブレーキと判断した時に作動する。
自動車のブレーキの強さは運転者のブレーキペダルの踏み込み力で決まり、ゆっくりと減速したいなら軽く踏み、直ちに止まりたいなら強く踏む操作を行う。
従って運転者は、急な飛び出しを認めた場合や、高速巡航中で前方に障害が発見されたときなどは、ブレーキを強く踏んで衝突を回避する必要があるが、次の理由などで強いブレーキを踏めないことがある。
- 人間は、突発的事態に対して冷静に対処することが難しく、ブレーキを踏んだとしても強く踏むことができない
- 高齢者ドライバーや女性ドライバーの一部には、体力的にブレーキを強く踏むことができない人もいる
- 屈強な若者ドライバーであっても、人間である限りブレーキを踏む力には限りがある
そこで、電子制御システムが緊急のブレーキングと判断した場合には、ブレーキ油圧シリンダーで発生させる力を人間のブレーキ踏み込みよりも高めて、制動力を大きくするものである。
基本的にはアンチロック・ブレーキ・システムに付け加えられるものであり、高速度からブレーキを踏み続けている場合や急なブレーキの踏み込みを検知すると、緊急ブレーキと判断しブレーキ力を強めるものである。このシステムが作動すると『ブレーキペダルが奥に引き込まれる』感じが生まれ、多少ブレーキを弱めてもそのまま強いブレーキを維持して停車に至る。
この用語集はフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』から転用しています。 |
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